「上り坂」「下り坂」「まさかトランプ」
2016.11.19更新
まさかトランプが勝つとは
何でクリントンが負けたんだ
アメリカの国民・メディア、いや世界中の人々がこの番狂わせの結果に戸惑った。選挙で選ばれる公職(州知事や上下院議員)についたことがない、いわゆる「選挙のプロでない」人が大統領選挙に勝利したのは米国史で初めてだ。
・メディアの敗北!
・コメンテーターが坊主頭になって懺悔!
・日本政府もメディアもヒラリー・クリントンに肩入れし、後処理や言い訳に大慌ての状態だ。
・そして、アメリカでは新大統領誕生に抗議するデモが続いている。
今回の米大統領選挙は、若者と中高年、大卒者と高卒以下の者、グローバリズムの勝者と敗者の間の分裂と争いが根底にあり、6月の英国民投票と共通する。グローバリズムの敗者が、欧州連合(EU)離脱に賛成し、トランプ氏に投票したなどと新聞紙上では分析されている。
ドナルド・トランプ氏の勝利は、異例の選挙戦略によると言われている。
白人とマイノリティー(人種的少数派)の対立をあおり立てた。これまでの政治家はさけて来たことだ。(今までの候補者たちは、)選挙に勝っても、政策を実行できないと考えこのようなことを実行しなかった。また「所得が伸びない」「工場が閉鎖される」といった米国の白人中間層(下層)の不満は21世紀初頭からあった。しかし、その不満を政治の力に変えることは、誰も手がけてこなかった。これを、取り込んだのが異端児トランプだ。ちなみに、トランプ支持層は、白人、男性、45歳以上、大学中退・高卒以下の人たちだ。
トランプ氏の勝因は、米国の国益を無視して「選挙に勝つためなら何をしてもよい」という戦略を徹底したことだ。などとマスコミ初め、反対陣営から大きな批判を浴びている。
アメリカの選挙制度は、ご存知の様に直接選挙ではなく、予め各州に配分された代議員の獲得数の多い方が当選する仕組みになっている。
今回も、総得票数ではクリントンが上回っている。
クリントンは、事前の世論調査を信じるあまり、伝統的に民主党が強いと言われているウィスコンシン州やペンシルベニア州などに足を運ぶことがなかったという。トランプ陣営が足しげく遊説に回っているのを「時間の浪費」などと揶揄していたようだ。結果的に、大統領選挙に勝利するには是非とも獲得しなければならないオハイオ州やフロリダ州なども獲得することができなかった。確かに、メール問題は大きな痛手だったが、選挙戦略の失敗が根本にあったのではないか。
トランプ氏はどんな政策を取るか。トランプ大統領になって良くなった。と国民が実感できる成果を上げる必要がある。
ところが早期発効を先導してきたアメリカの次のリーダーが、地球温暖化対策の新しい国際枠組み「パリ協定」を拒否している。これまた、アメリカが主導してきたTPP(環太平洋経済連携協定)に反対を唱えている。日本などの同盟国に米軍駐留経費の負担増を要求している。日本は負担額の米軍駐留費の54%を負担しているとの試算もある。ただ、米軍のお陰で軍事費を相当低く抑えられていることは間違いないし、台頭してきた中国に一国で対抗するすべもなく日本としても頭がいたいところである。メキシコ国境に壁をメキシコの金で作れ。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉も検討している。日本の多くの自動車業者がメキシコで生産していることから関税が大幅に引き上げられる可能性がある。オバマケアの廃止見直しも検討されている。米国には5000万人近い無保険者がおり、多くが黒人やヒスパニックなどのマイノリティーや貧困者たちだ。
1980年代の新自由主義の潮流がその後の世界を変えたと言われている。新自由主義は市場経済と福祉国家の両立という「戦後コンセンサス」を壊した。個人主義と自己責任という新自由主義イデオロギーの下で社会的弱者が切り捨てられて、冷戦後のグローバル化がそれを加速した。
白人労働者の「怒り」は「民主党はもちろん、共和党のもうんざりだ。トランプ大統領の下、米国を我々の手に取り戻すんだ。」ヨーロッパにも広がっているこの思想は根が深い。
トランプ新大統領の手腕は、アメリカ国民そして世界中の人々が注目し期待している。異端児が救世主になること祈るばかりだ。
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